今回自作したコントローラーの動作検証の映像です。

  

検証用カメラ:Blackmagic Micro Cinema Camera
検証用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ

撮影用カメラ:Panasonic DMC-GH4
撮影用レンズ:LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.
       LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 ASPH. / POWER O.I.S.

今回の動作テストで出た不具合はホワイトバランスの押しボタンが、カメラの電源投入後暫くすると反応しなくなった事です。電源を入れ直すと動作しますが、今のところ原因は判りません。
全て新しい部品を使って再制作したところ、この不具合は無くなりました (^^)。以下の記事を参考にして下さい。

 http://energy-in-my-heart.blog.jp/archives/66657662.html

Blackmagic Micro Cinema Camera (以下BMMCC)を ハンドヘルドのブラシレスジ ンバルで使用する場合、撮影時でのカメラの設定を一々カメラ本体のボタンを使うのはかなりのストレスがあります。また液晶画面でのタッチ式ならまだしも、階層式の設定方法はそのストレスを倍増させます。(液晶画面のタッチ式と比較しましたが、撮影中の操作は機械式レバー・ダイアル・ボタンの方が確実な操作ができます。依ってiPhone などでの画面を使ってのフォーカスやズームは論外と思っています。)
解決方法としては BMMCC には PWM や S.Bus を利用して遠隔操作ができる拡張機能が搭載されているので、これを利用するしかないのです。


ところがどっこい私にはこれらの知識が全くありません(笑)。そこでネットを検索してどなたかもう自作されている方がおられるのではないかと懸命に探しましたが、海外の方が数名動画をアップされているだけでした。完成品または製作途中のコントローラーで動作確認をしているものが殆どでした。また多くが PWM 方式で S.Bus のコントローラーは見つけられません。どのみち S.Bus 方式はまったくちんぷんかんぷんなので最初から除外ですけど (笑)。

英語は分からないのですが映像から、ISO、シャッターアングル、ホワイトバランスはグランド(ー)と各Chを短絡させると順次数値が変わって行くことが確認出来ました。また IRIS は何かのダイアルを回すとこれも数値が変わっていく事も判りました。ここではこのダイアル付きの機器に辿り着くまでの苦労は書きませんが全く知識が無い私はかなりの時間を費やしました。ようやく判明したのは「サーボ・テスター」と言うものでした (^0^;)。

元々 LANC コントローラーで操作するつもりで、VariZoomのVZ-ROOK や Manfrotto MVR901EPLA を持っていたので、「収録」「ズーム」「フォーカス」はLANCで、「IRIS」「ISO」「シャッターアングル」「ホワイトバランス」はPWMで調整・設定をする事にしました(PWMは4Chまでしか使えません)。また BMMCC へのケーブルを1本で繫ぎたいので、LANC のケーブルは一旦自作コントローラーに接続することにし、システムは小型化したいと思い LANC は VariZoomのVZ-ROOK を使う事にしました。

完成品はこれです。

P1010789

 
P1010790

黄色のダイアルは「IRIS」、赤の押しボタンは「ISO」、緑は「シャッターアングル」、青は「ホワイトバランス」にBMMCCで設定してあります(下の写真参)。上の3個の穴はサーボ・テスターの3セットある出力側の切替のステイタスランプです。赤いボタンの上にある穴の中に切替ボタンがあります。これは使う事はありませんが万が一の場合にボタンが押せるように開けておきました。ちなみにビスの頭が2個見えますが、これはサーボ・テスターの基板を固定させるものです。

P1010792

内部はこんな感じです。

P1010781

P1010783

P1010782
 
基板に貼ってある黒いビニールテープは金属のボルトの頭と基板回路を接触させない為のものです。

BMMCCのDB-HD15(ミニD-SUB)のインターフェースに繋ぐプラグのカバーはなるべく小さくしたかったので、既製品のカバーをカッターやマイナスドライバーで剥がしたものを使用しました。

P1010780

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接続ダイアグラムも作ったのでアップしておきます。


BMMCC自作コントローラーダイアグラム


電線の色は私が適当に決めたものです。LANCのプラグをさすジャックの極性は確実に選択しないとカメラやLANCを壊しますので注意が必要です。

今回使用した主な部品をリストアップしておきます(リンク切れがあるかもしれませんが)。押しボタンは小さいものを選んだので半田ゴテの熱でプラステック部分が柔らかくなって不具合が出そうです。もう少し大きいのを選んだ方が良いですね。

1.サーボテスター
  https://www.amazon.co.jp/dp/B00K41TZJM
2.コントローラーボックス
  http://www.marutsu.co.jp/pc/i/4742/
3.スリムロボットケーブル(8芯)
  http://www.marutsu.co.jp/pc/i/557362/
4.押しボタンスイッチ
  http://www.marutsu.co.jp/pc/i/38714/
  (こちらのスイッチを使った方が良いです。http://www.marutsu.co.jp/pc/i/3354/)
5.2.5mmステレオジャック
  http://www.marutsu.co.jp/pc/i/9976/
6.ミニD-SUBコネクター
  http://www.marutsu.co.jp/pc/i/13952/
7.ディスプレーケーブル(DB-HD15コネクターカバー用)
  http://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/KC-NMV15K

今まで私は SimpleBGC のブラシレス ジンバルの自作や既製品のカスタマイズをして来ました。少々の弱電工作の経験がありましたので今回は自作をしましたが、願わくば何処かのサードパーティーの企業が S.Bus を使った小型有線コントローラーを作って販売して頂くのが一番確実・安心だと思っています。この様なコントローラーは何もハンドヘルド ブラシレス ジンバル用だけではなく、三脚での撮影においても有用では無いかと思います。

最期にこのコントローラーの製作において、BlackMagic Design 社のテクニカルサポート様 及び エア・パワナ様には私の質問に対し丁寧な解答を頂き、この場にて厚く御礼申し上げます。

◎ 注意事項
  ラジコン・ドローン・弱電等の知識が 乏しいと思わぬミスをしてカメラなどに
  重大なダメージを与えてしまします。私は一度大きな失敗しています。
  このブログの記事はあくまでも私はこの様な方法で製作したという覚え書き
  です。全く知識もDIYの経験の無い方は 自作に手を出さないで下さい。
  さらに、記事の中に記入ミス等があるかもしれませんので、100%参考しない
  ようにして下さい。特に接続ダイアグラム も再確認が必要と思われます。
  以上のことからこの記事を参考にして重大な事象がおきても一切責任は持てません
  ので宜しくお願いいたします。